朝、着替えて外に出たら冷たい雨が降っていた。走るのは諦めて(内心は喜んで)、室内に戻った。夕方にはやんだが、一時は霙交じりになっていたそうだ。
午後、親しくしていただいている方のところで美味しいハワイコナをご馳走になった。今は改装中の東京駅丸の内口駅舎の中にあったステーションホテルのバーだったか喫茶室だったかではこのハワイコナが飲めたのだが、改装なってからはどうなるのだろうか。
帰路、わが家の扉の前で東お空を見たら満月に近い月がすでに昇っていた。明日の晩は確か月食である。天気予報では多分、晴れていて見られるという。もしかすると、写真をという方があるかもしれないので、コンパクトデジカメで月を奇麗にとる方法について述べたい。もっともこの方法が一番いいのかどうか自信はない。僕はこうやって撮っていますよという話である。
まずは使用したカメラは Ricoh CX3、広角28mmから望遠300mm(35mmカメラ相当)までのズームレンズを備えたコンパクトディジタルカメラである。
帰宅した時刻は16時42分で、もう薄暗くなり始めていた東の空のやや高いところに見事な月が浮かんでいた。この写真は広角28mm、露出はオート、露出補正なし、焦点もホワイトバランスも自動で撮った。
これは85mmくらいのやや望遠にして、ほかは最初の写真と同じすべて自動で撮ったものである。地上の景色は奇麗に写っているが、月は露出オーバーで真っ白になり、しかも周囲にハレーションが出ている。デジカメで月を撮るとどうしてもこうなってしまう。画面の明るさをカメラは測っているのだが、月の方が画面より明るすぎるのである。この場合、測光はスポットに設定してあるのだが、月に測光ポイントをもって行って写しても変わりはなかった。
F値=4.6 露出時間=1/79秒 ISO=1600
そこで、露出補正を使ってみる。補正をマイナス1にしてみた。すなわち標準より露出を一段下げる(短くする)のである。したがって、景色は前より暗く写っている。月もやや暗くなっているが、まだ明るすぎてクレータの影は写っていない。
F値=4.6 露出時間=1/79秒 ISO=800 ISO感度を半分に減らして露出を標準の半分にしている
これはさらに露出補正を強くマイナスにして(マイナス2)撮った写真である。周囲の景
色は一層暗く写っているが、これでも月はまだ露出オーバーで、肉眼では見えているクレーターは写っていない。
F値=4.6 露出時間=1/79秒 ISO=367 さらにISO(光感度)を減らして露出を低くしている
そこで最後の手段、僕の秘策を用いて露出短くした。
まずは焦点距離の設定を無限大にしておく。ほかはすべて自動のままにしておき、次にカメラを近くにある明るい電灯(街灯や廊下の照明など)に向けてシャッターボタンを半押しにして露出をあわせるんです。そうしておいて、最後にカメラを月に向けて、シャッターを最後まで押します。そうやって撮ったのがこの写真です。地上の景色は写っていませんが、月は暗めですが、クレーターの陰影が見事に写っています。
F値=4.6 露出時間=1/500秒 ISO=80
これはズームを一杯にあげて、すべてを自動にして撮った月です。露出オーバーでハレーションができています。
これは、ズームを最大にして電灯で露出をあわせてから撮った写真です。
ハレーションが完全に消えている上、クレーターがはっきり写っているのが分かると思います。
最後に光学ズームを一杯に上げて(300mm)、さらにディジタルスームで2.2倍に倍率を上げて撮ってみました。露出は電灯にあわせてあります。
ということで、僕の月の撮り方の秘策を披露しました。露出を近くにある電灯にあわせるというのがミソなのですが、それだと少し暗すぎたり明るすぎたりすることもあります。そういうときは露出補正を使ったり、露出をあわせるときに電灯から少しカメラをそらせたりして、入ってくる光の量を調節します。デジカメのいいところはその場で結果を確かめてやり直しがきくことです。
どうぞ、明日の晩は月食の写真にチャレンジしてみてください。露出をマニュアルで自由に決められるような高級なカメラを使っておいでの方は、まずはオートで写して、そのときの条件を覚えておき、それより露出を減らしたり(F値を大きくしたり、露出時間を短くしたり、露出補正をマイナスにする)、増やしたり(F値を小さくしたり、露出時間を長くしたり、露出補正値をプラスにしたりする)すればよいのです。
ではご成功を祈ります。余計なお世話だったかな?
0 件のコメント:
コメントを投稿