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2010年6月16日水曜日

病床五尺 その32 本文

6月16日 水曜日 曇りか雨

 眼が覚めたら弾き語りフォアユーでは日本歌曲「くちなし」をやっていた。始めて聴いた曲だった。

 『くちなし』  高野喜久雄 詩  高田三郎 曲

荒れていた庭 片隅に 亡き父が植えたくちなし
年ごとに香り高く 花は増え
今年は十九の実がついた 

くちなしの木に くちなしの花が咲き 実がついた
ただ それだけのことなのに 震える震える私の心
ごらん くちなしの実を 

ごらん 熟しても口を開かぬくちなしの実だ
とある日の父の言葉 父の祈り
くちなしの実よ くちなしの実のように 待ち焦がれつつ
ひたすらに焦がれ生きよと 父は言う
今もどこかで 父は言う


バロックの森:
ワイス作曲 “組曲ニ短調”、よく合った二つのリュ-トによる26分間の最初から最後まで穏やかな優雅な曲だった。静かな雨の朝にふさわしい。
もう1曲、エマヌエル・バッハ作曲「協奏曲 変ホ長調」、出だしから古典派の曲を思わせるものがあったので、wikipediaを見たら、「父親より、父親の友人ゲオルク・フィリップ・テレマンの作曲様式を受け継ぎ、ギャラント様式多感様式を追究して、古典派音楽の基礎を築いた」とあった。音楽に興味のある人たちには常識なのかもしれないが、僕には面白くて、最後まで注意して丁寧にきいた。

血圧は121と75、酸素95%、体温37.9度

 食後、ベッドに戻ったかと思うとすぐにTさんが来て、リハビリ、手足のマッサージ、運動と続いて、杖を持ってきたと知ると、歩行器を戻しに行って、杖で1階まで行くことに。ちょっと自信がなかったが、思ったより苦痛もなく行くことができた。
 今日も蟹の横這いを2往復、膝上げ爪先立ち20回づつ。その後に、今日は1kgの負荷をかけて、足上げを15分。
その間、平行棒の間を悲鳴を上げながら捉まり歩きをさせられているお婆さんがいた。さすがに行程の半分で椅子を入れてもらって休憩。そのまま回れ右でまた悲鳴を上げながら戻って行った。もう少し、楽な方法がないものなんだろうか。
部屋に戻るのもまた杖で歩いて行った。流石に腰が辛かったが、無事にベッドに帰りつけた。昼に座るのは無理しなくて、午後に30分、座ればいいからと、Tさんは優しい。ベッドに倒れこんで、恐る恐る腰を伸ばすと、もう何でもなくなる。

昼食のとき、同室のYさんにコーヒーを1杯、分けてあげる。本当はIさんの美味しいのをあげられればよかったのに。生ぬるくて、ミルクも砂糖も入ってないので不味いんじゃないかと思ったが、「久しぶりだから美味しいですよ」という言葉に真実味を感じた。
食後、杖をついてナースステーションに行ったりトイレに行ったりする。杖は使わなくても、あまり腰の辛さは変わらないようだった。

 Y看護婦さんから退院しても来ることがあったら3階に上がって来てよと言われる。嬉しい。

 午後、家人に続いて、TさんとIさんが見舞いに来て下さる。お二人から、携帯から携帯のメールアドレスなど交換。

 夕方、廊下に出て、通りがかりの看護婦さんにシャッターを押してもらった。部屋の名前の表示は自分で撮った。
 また、6時ころに夕立があり、さっと晴れて虹がちょっと出た。




夕食のお盆に紫陽花の花を描いたカードが載っていた。Yさんは意味が分からず不思議がっていた。あまり情緒を解さないのか、眼が悪くてはっきり見えなかったのか?

6時半ころにMA嬢がラスクと、手製のクルミ餅を持って見舞いに来て下さる。今日明日はご両親が八丈島に行っていて一人で留守番とのこと。8時半ころまで話していた。


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