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2010年5月30日日曜日

病床五尺 その16

5月30日 日曜 曇りか雨

1)バッハ、カノン風変奏曲天から降って
2)バッハ、チェンバロのためのトッカータ嬰ヘ短調とロ長調
3)ヨハン・フリードリッヒ・ファッシュ、組曲変ロ長調

 昨夜の勤務のヘルパーはFさん。優しく穏やかな人。夜中の介護に来たときには声を落として気を配ってくれる。前日か前々日の夜勤のヘルパーの人は逆で大声で眼が覚めてしまった。Fさんのおかげか、昨夜はよく眠れた。

 午前中に同室のSさんが奥さんが迎えに来て、退院していった。嬉しそうで、明日からお弁当持って仕事に行くのだそうだ。タバコやめるのには食後に果物食べるといいって言ってあげたので、奥さんがお弁当に果物を入れると言っていた。陽気で賑やかな夫婦である。


看護婦のYOさんが血圧に測定に来る。117の63、血中酸素97%、体温36.8度。

今日のヘルパーはIさん。Iさんは子供が三人、高校生や中学生。高校生の男の子、陸上の中距離をやっているという。中学の時はサッカーだったそうだ。下二人は女の子、上の子はトロンボーンやってたのが、今はバドミントンに夢中、下の子もブラスバンドとのこと。彼女は高校の時はコーラスをやっていたそうだ。

 午後には長男の嫁とトロンボーンを吹いている孫娘が家人と一緒にやってきた。孫の用事があるとかで1時間ほどいて帰った。孫はガーベラを5本持ってきてくれた。孫たちとはほとんど入れ替わりにOHさんご夫妻が来て下さり、4時ころまで話をする。ご主人には前回の怪我の時に、背中に背負って家まで連れて行っていただいた恩義がある。

 今日はベッドの傾けを40分くらいやった。2回目は30分、夜ももう一度試みたい。

 看護婦のYOさんは花が好きで小さな庭に夏は花を植えるという。果樹もあるらしい。今年は色々な色のパプリカを植えたそうで楽しみなんだそうだ。料理もできないのにねと謙遜する。歳とってから看護士の資格をとったのでまだ3年の新米だとこれも謙遜する。

 この前から同室のKさんが、机の上に置いてある下剤の投薬の度に、薬の有効期限が10年も前で古いんじゃないかと言って心配していた。そのたびに看護婦さんが2013年が期限だから大丈夫と言い聞かせてたが、納得できないらしかった。今日もそのことを言い出したが、今日は看護婦さんがゆっくり相手をしてあげて、僕も加わって、あれこれ話し合っているうちに、彼は2013年を平成13年と勘違いしてたことが分かった。彼もわかったみたいで、耄碌しちゃってと盛んに恐縮していたが、単なる勘違いだと思う。96歳で薬の有効期限に気をつけるんだから、耄碌どころではないと思う。とにかく、これでここ数日来の彼の悩みが解決してよかった。

今日の一句 枕元にガーベラ5本孫来たる

ガーベラは僕の好きな花の一つ。夏の季語とも、春の季語とも書いてあった。








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