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2010年6月2日水曜日

病床五尺 その19

6月2日 水曜日 晴れ

 眼がさめて少ししてNHKFMを聴いたらバロックの森には似つかわしくない曲が聞こえてくる。変だと思ったら、少し時間が早くて「名曲の小箱」でパガニーニの「奇想曲 第24番」 バイオリンは加藤知子だった。
 さてバロックの森、今週はナポリの音楽と言うテーマで、今日はアレッサンドロ・スカルラッティの曲5つ:
「カンタータ僕のクローリ、美しいクローリ 「チェンバロ協奏曲、トッカータ ニ短調」「同じく、トッカータ ト短調」「カンタータ、オルフェオがそれを知ってから コンチェルト・グロッソの12のシンフォニア集から シンフォニア 第10番」、カンタータのソプラノはクリスティーナ・ミアテルロ、リコーダ、チェンバロ、ヴィオラ・ダ・ガンバの伴奏。優雅な曲ばかりだった。
 
 9時前にO先生が現れて、体を起こしてベッドのふちに腰掛けてみてくださいという。恐る恐る試みてみたら、案外痛みも少なく簡単にできた。これで車椅子、歩行と移って行きまそうとおっしゃった。やはり3週間の安静の効果ですねということだった。あとはまだ残っている痛みがどうなっていくかだ。僅かづつではあるが確実に減ってきてる。

 午後、元の同僚、数学のI先生ご夫妻がおいでに。ハーゲンダッツのアイスクリームとコーヒーをいただいた。 子規は「病床六尺」の前の病中日記「仰臥漫録」で介抱ということについて、「余の家に来る人にて病気の介抱は鼠骨一番上手なり 不快のときもついにうかされて一つ笑うようになること常なり 彼は話し上手にて談緒多きうえに調子の上に一種の滑稽あればつまらぬことも面白くきかさるること多し(中略)その上彼は人の話を受け継ぐこともじょうずなり」と書いてあったがI先生はまさにぴったりの人である。ただ残念なことに折悪しくMRIが入ってきてしまい、間もなくお帰りいただかざるを得なかった。お宅から数キロなので自転車か徒歩でまた来て下さるとのことだった。

 MRIの部屋まではストレッチャー、3人がかりのベッドからストレッチャーへの移動、ストレッチャーから撮影台への移動も今回はほとんど痛みがなくできてほっとした。
ただ密室で20分間動かずにいるのはかなりの負荷である。高い磁場がかかると、肌が僅かだがピリピリした。咳もくしゃみも幸いなことに、出なかった。終了した時はほっとした。ここの機械はGEの1.5Tの出力のものだそうで4年前に入ったとのこと。

夕食もベッドを傾けて、大声で同室のYさん、Kさんと話をしながら食べる。昼よりはるかに楽で食べ終わっても話が続けられたくらいだった。終わったら、流石の僕も少し喉ががかれたくらいだった。
 Yさんは小岩の生まれで、某有名会社、およびその子会社の社員だったという。僕のところに見舞客が多いので、僕は現役の会社員で見舞いは勤め先の顧客かなんかかと思ったとのこと。僕はエネルギーにあふれてますねとおっしゃる。本人はまったくそういうつもりはないのに。

 食後、O先生がMRIの画像を持ってきて見せてくださった。第二腰椎が後ろに飛び出して神経管を圧迫してる様子は認められなかった。これで最初の所見通りで、あとは再度押しつぶさないよう辛抱強くやっていきましょうとのことだった。
 写真はMRI画像の一枚。
上下に重なる糸巻き形のものが椎骨で中央の白っぽいのが潰された第二腰椎、上の黒っぽいのが第一腰椎、下が第三腰椎。右側の上下に長い真っ白な紐みたいのが脊髄の神経管。第二腰椎が後ろにはみ出して神経管を圧迫して潰している様子はない。これで大安心。


  
 周囲のすべての人たちに感謝したい。僕は恵まれています。

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