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2010年6月9日水曜日

病床五尺 その26

69日 水曜日 曇りか
  
朝作った駄句を三つ

Kさんのお酒へのお誘いに 

一献に君頬染めて梅雨に入り 

春の思い出
 
花びらを追い小走りのおとめかな 
黒髪にひとひらの花弁置きにけり
 
今日の検温はK看護婦さん、同室のKさんの質問に、「赤血球に結びついた酸素の量、いやパーセントを測ってる」というように、反射的に量を割合に訂正していたのに感心する。理科の基礎が分かっている人である。ちょっと珍しい。
酸素96%、体温は最初の1分で36.9度、5分くらいしたら 36.5度に下がった。血圧は訊くのを忘れた。ここのも、我が家のと同じで、1分では高めに出る。正確に測るには5分か6分かけるべきだ。

 今日は朝早く一度、5分くらいベッドの縁に座ってみた。11時ころに2度目。座ってパソコンを打ってみた。かなり腰が辛いが1-2分くらいなら耐えられる。結局8分近く座れた。少しづつ長くしていこう。

 昼食は山口さんがゆっくりと上手に速度を調節して、ベッドの背を持ち上げてくれたので、楽に座っていられた。こういうこと一つでも、経験と職業意識が大きく影響する。

 午後、Tさんの代役のSRさんが来る。これだけ脚力があるんだから、歩いてもいいんじゃないかとのこと。車椅子で20分というので、パソコンでメールを書いていた。手をひじ掛けについてると楽なのだが、前腕で支えないと体重がもろに腰にかかるので、辛い。看護婦のYさんの言うことには、立つときにはコルセットで腰を固定すると楽だという。きっと座るときもそうに違いない。やってみよう。

時ころにO先生が来て、足を上げさせられた。その様子を見て、もうどんどん歩いていいですねと言う。座るのも歩くのも、負荷は同じとのこと。ただ、どしんと座らないことと言われた。

 夕食前に栄養士のUさんという女性が来て、手違いで夕食の魚に骨がついたのが来てしまってと、謝罪と断りに来た。奇麗な人であるが、僕のところだけに来たのが解せなかった。この人ならいつでも歓迎なのだが。


 朝、髭をそったりしていて、バロックの森の最初の方は聴き損ねた。
聴けたのは、

「前奏曲」フランソア・デュフォー作曲、「サラバンド」フランソア・デュフォー作曲
「ブーレ」オトマン作曲、「アルマンド」デュビュイソン作曲、「サラバンド」             サント・コロンブ作曲(リュート、テオルボ)バンジャマン・ペロー、            (ヴィオール)フロランス・ボルトン
「アルマンドル・ムティエ」 「クラント」 「サラバンド」、以上は             シャンボニエール作曲、(クラヴサン)フランソアーズ・ランジュレ
「シャコンヌ」シャンボニエール作曲、(クラヴサン)オリヴィエ・ボーモン
「シャコンヌ」ルイ・クープラン作曲、(クラヴサン)ジョヴァンカ・マルヴィル
「ジーグ」フローベルガー作曲(クラヴサン)バンジャマン・アラール

やはり、リュートやクラブサンの音は格別。


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